機動戦士ガンダムは無敵超人ザンボット3、無敵鋼人ダイターン3の好評により作成された
サンライズ第3作品目となるロボットアニメのため、これに続けとスポンサーがおもちゃ
として売りやすい構成で作成されたのですが、今では大人でも魅了されるアニメとして、
数々の続編を生み出しているためガンダム作品を見ていない方からすればその理由が
よく理解出来ないことも多いかもしれませんし、今でも「ファーストガンダム」
の呼称で大人気となっているので、ガンダム好きとしては分析せざるを得ない状況。
また今回のお話だけでは語り尽くせないことが多いですので今回は重要な概要的分析として
機動戦士ガンダムを見た子供時代の感想を中心にネタバレしない程度で書いていきます。
目次
・リアルロボットと呼ばれた!富野式人間ドラマ。
・富野節と呼ばれた!富野由悠季キャラの名言!名セリフの数々。
・ファーストガンダムのモビルスーツが何故!プラモデルで売れたのか?
・もうひとりの主人公シャア・アズナブルの存在。
リアルロボットと呼ばれた!富野方式人間ドラマ
ストーリー展開はこれまで同様1話完結式のオムニバスでありながら、見れば見るほど
奥が深い複雑な設定になっているため、大人になるまで僕はガンダムの活躍以外!あまり
面白くないと思ったのが正直な感想。むしろ妹が見ていたから最初は見ていた程度であり、
実際に夕方5時半という時間帯ながらも平均視聴率はわずか11%であったためおもちゃ
会社からも打ち切りやパワーアップメカである「Gアーマー」の提案もされたくらい、
子供には不評で1度見たくらいでは理解出来ない富野由悠季氏のアニメ構成であった。
この理由もガンダムシリーズの大半が「富野方式」と呼ばれる人間ドラマ構成が原因であり
重要な登場人物を1箇所や戦艦などに集めて、話を展開させることから、よく話を聞いて
いないと理解出来ないと感じやすいため、大人でも理解するのに難しい展開ばかりである。
現在でも機動戦士ガンダムが「初代ガンダム」「ファーストガンダム」と呼ばれるのも
富野氏自身が理論やキャラの立場!といった複雑な関係性を考えていたせいもあり、
人が死ぬシーンでも関係していたキャラがより強く成長するような構成でトラウマが出に
くいように工夫がされているので、異質性を称してこう表現されるのだと思うのですが、
平均視聴10歳前後に対し論理的思考や大人の都合を押し付けたアニメはいささか
時代が早すぎたように思えて仕方がありません。
富野節と呼ばれた!富野由悠季キャラの名言!名セリフの数々
宇宙を管理していた地球連邦軍と独立のために戦争をしかけたジオン軍との戦いという
ストーリー設定が、話の最初に毎回あったことや、主人公アムロが住むサイド7という
宇宙移住区コロニーにジオン軍の「ザク」が攻めてくるため、最初見たときには、
ジオン軍は「悪」という印象をもたらすのですが、実際には組織的に一枚岩でない派閥が
あったり、仲間でも裏切りや政権、生活のためなど、徹底したリアルが描かれている。
また当時子供であった僕としてはどちらかといえばガンダムの活躍がメインであり
富野節と呼ばれるキャラクターの名セリフがあったからこそ夢中になれたのだと思える。
特に印象的に残っているのが、
「軟弱者!あなたそれでも男ですか?」 セイラ・マスのセリフ。
「見せて貰おうか?連邦のモビルスーツの性能とやらを!」
「連邦のモビルスーツは化け物か!」赤い彗星 シャア・アズナブルのセリフ。
「二度もぶった親父にもぶたれたことないのに」主人公 アムロ・レイのセリフ。
「シャア!はかったな!シャア!」ガルマ・ザビのセリフ。
「ザクとは違うのだよザクとは!!」青い巨星 ランバ・ラルのセリフ。
「お!俺を踏み台にした!!」黒い三連星 ガイヤのセリフ。
「ぜ・全滅だと!3分も立たずにか?化け物め!」コンス・コンのセリフ。
「やらせはせん!やらせはせんぞ!!」ドズル・ザビ ビグ・ザム上でのセリフ。
とあげればキリがありませんが、こういった名セリフでガンダムの強固さや敵の強さ
相手の心境など、子供ながら理解出来なくても魅了されたように感じて仕方が無い。
このように富野由悠季氏は大人向けに作成しながらも子供でも引き込む要素を兼ね
備えていたため、ヒットしたのは当然の結果だったのかもしれません。
ファーストガンダムのモビルスーツが何故!プラモデルで売れたのか?
機動戦士ガンダムでは売れやすいおもちゃの法則であった「赤」「白」「青」のトリコ
ロールカラーで決め、今までには無かった戦争へのリアリティを求めるためモビルスーツ
(MS)と呼ばれる小型ロボットで初めて「量産化」という設定を生み出している。
また富野由悠季氏はガンダムのプラモデル(略してガンプラ)はプラモデルだから売れた!
と称しているのですが、これにもしっかりと策略が練られており、見直すほど男子向けの
おもちゃが売れる要素がこめられている。
それが「ガ行の言葉」と「濁点の言葉」の併用である。
今まで日本で爆発的に売れた玩具の大半は怪獣の「ゴジラ」「ガメラ」「ラドン」のように
ガ行か濁点が入っており、ロボットアニメでもマジンガーZ、コン・バトラーV、ボルテスV
サンボット3、ダイターン3と圧倒的にこの法則が使われている。
富野氏が特に意識していたのでは?と思われるのがガンダムだけでなく敵MSにもその
傾向があり「ザク」「グフ」「ドム」「ゲルググ」「アッガイ」「ゴッグ」「ズゴック」
「ビグロ」「ザクレロ」「グラブロ」「ギャン」「ジオング」などなど・・・
コンセプトとしてはガンダムはマジンガーZをライバル視しており18mという設定でした
ので小型ロボット設定は18mが基準。ザンボット3が大将ならガンダムは足軽という感覚
で作画の苦労やおもちゃにしたときのコストを考え、量産化MSとしての定義が生まれた。
その結果、当時では子供が出に入りやすい300円という金額で売り出したため爆発的に
売れたのですが、これを見て全てが偶然ではないと思えるのは僕だけでしょうか?
もうひとりの主人公シャア・アズナブルの存在
機動戦士ガンダムというとどうしても連邦軍側を主体として描いているため正義だと思われ
がちなのですが、ジオン軍を独立国家としている「ザビ家」の父、デキン・ソド・ザビが
ジオン公国を手にしたいがために、シャアの父であるジオン・ダイクンを死に追いやった。
そんな復讐劇でもあるのでシャアの視点としてガンダムをもう一度!視聴するほど違った
面が見られるので、これほどまでにファンが膨れ上がっているのですが、その点は2015
年に上映される「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を見ないと真相はわからないため、
シャアが本当に復讐だけを考えていたのか?この点は一個人である僕にはわからない。
今では珍しくない「ダブルキャスト方式」の主人公のさきがけになっているアムロとシャア
の関係性はこの先も過酷になっていくので、この点は逆襲のシャアやガンダムUCまで
掘り下げないと難しく、ここで語るには文字数が足りなさ過ぎるので割愛させて欲しい。
ただここで言えることはアムロ、シャアだけでなくさまざまな人間模様が絡みあっている
ため機動戦士ガンダムは30年以上経過した中でもファンに愛される作品になったのでは
無いかと思えるので、実際に何度も見て富野由悠季氏の世界を噛み締めていただきたい。
それが機動戦士ガンダムを知る最短であり確実な方法だと思えるのだから・・・