伝説巨神イデオン劇場版の接触篇/発動篇のラストは何故大失敗なのか

The IDEON (伝説巨神イデオン)接触篇/発動篇はテレビ版の中盤程度の総集編を接触篇
TV版で打ち切られたため描けなかった部分を完結させたのが発動篇として完全新作版で
作成したものである。


これらを作成したのも機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編が大盛況だったことや
発動篇できちんとしたラストを描きたかったスタッフ達の思考が大変強かったのですが、


現実にはガンダムの劇場版のようにブームにはならず完全な失敗作になったらしい。

では何故失敗作になってしまったのか?今回はこの点を中心に分析していきます。

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目次

・完全な大失敗?接触篇/発動篇が不発に終わった理由。
・無限力「イデ」は結局何が言いたかったのか?
・伝説巨神イデオンに影響を与えた人達とは?

完全な大失敗?接触篇/発動篇が不発に終わった理由

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伝説巨神イデオンが当時全43話で予定されていた反面、39話で打ち切りとなったのも、

イデオンが殴る、蹴る、ミサイル程度しかない地味なロボットであることや売れる要因
を持つデザインで無かったこと、大人にしかわかりづらい設定とコアすぎることから、

スポンサー会社であるおもちゃ会社が大赤字を抱えたためとされているのですが、


富野氏としてはバッフ・クランの一番偉い大将である「ドバ」と娘「カララ」が分かち合えないことや地球人であるベスの子供をカララが身ごもってしまうことで地点で決別!イデオンの生命体「イデ」が発動して全てを滅ぼす!という設定となり39話の地点で、


終わりの2分を差し替えて演出しているので本来はあの2分が結果が全てである!


しかしそれだけでは納得出来ない!というコアなファンや制作スタッフ達の何か
しら形としてしっかりと残したい!という意思から劇場版として作成された様子。


そのためテレビ版の総集編である「接触篇 A CONTACT」最終回完全版で新作部分の
発動篇 Be Invoked」が制作されたのですが、現実には打ち切りによる不振を恐れた
のか?興行不振を考え、総集編で置きにいった感覚が逆にアダ
となりすぎてしまい、


TV版を見ていないとほとんど理解出来ない!主要キャラの大半は壮絶な死を迎える
徹底した人体破壊描写
とあまりにもマニアック過ぎる出来だったことや、TV版での
視聴率の悪さも響いていることから、一般受けせずに大失敗となってしまいました。


この理由も富野氏が語るには物語の「」となる部分か欠けており、視聴者に何を訴え
たかったのか?が理解しづらいから
と意見を述べているのですが、戦闘シーンの一部を
マクロスの板野一郎氏がミサイル描写を担当していたのに成果として認められなかった。

そういった理由も「イデの目的はいったい何だったのか?」という部分をわかりやすく
描けなかったスタッフ一同の未熟さが生んだ結果なのかもしれません。

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無限力「イデ」は結局何が言いたかったのか?

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イデオンのコックピットにはそれぞれギリシャ文字のようなものが「ゲージ」として表示
されイデの発動のサインとしてモニターの中心にあるのですが、これらはイデオン自身が
ピンチにならないと発動せず、ほとんどが後からつけたミサイルやグレン・キャノン。

これらの近代兵器で応戦しないと対応出来ないことが大半でありイデが発動しても強力な
武器であるイデオン・ソードやイデオンガンなどしか扱えず、時には勝手に動いたり分離
合体するといった症状が頻繁に見られた
ことを子供ながらに記憶が残っています。


イデは設定では「無限力」というものであり、バッフ・クランでは伝説として語られて
いるようなのですが、TV版ではシェリルという女性が「第6文明人の数十億の意識を
集めたものと
」推測している。


富野氏の設定では、

「イデは第6文明人の精神の一部をエネルギー利用する実験の失敗により
誕生したものであり、その際に第6文明人はすべての精神を吸い取られて滅亡した」

とあるので、イデオンを作った第6文明人の意思のようなものと仮定すればイデオン自身
自分達の身体であり、防衛本能や未来への道しるべとして無限力を発動させていたことを
考えれば、エゴイズムの塊で自分達の主張しか訴えない地球人とバッフ・クランでは、

戦争を続けている限りは「滅びの道」しか無かったのもうなづけるのかもしれません。

伝説巨神イデオンに影響を与えた人達とは?

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伝説巨神イデオンはあまりにもコアで壮絶な死を語る場面が多かったためにTV版視聴率
の低迷やおもちゃが売れない不振で劇場版にまで影響を及ぼしたのですが、現在でも多く
のアニメ制作者からは「イデオンこそ富野の原点」と賞賛を称える人も少なくない。


特に新世紀エヴァンゲリオンの作者である庵野秀明氏や∀(ターンエー)ガンダムの
ノベライズや機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)の作者、福井 晴敏氏も大好きな
アニメは「伝説巨神イデオン」と答えるほどディープなファンである。



このような点から以降に出る偉大なクリエーターを生み出したことを考えると伝説巨神
イデオンは単なる失敗作では無く、アニメ界の後継者を生み出す礎となったようにも
思える
のですが、それもまた富野氏の偉才であり異質な部分であると感じているため、

大いなる失敗作」という感覚がいろんな意味で強いのかもしれませんね。

レクタングル(大)
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