映画機動戦士ΖガンダムII恋人たちありえないほど酷評な3つの特徴

機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち-は第一部である星を継ぐ者の
続編であり、TV版の第15話くらいから第36話の「永遠のフォウ」までを編集。

映像ではエイジングという技法を使い、当時の雰囲気と今の画像に差が出ないよう
劇場用に編集されたものである。


また「恋人たち」という題名があるように主人公であるカミーユと出会いから似たもの同士として愛し合うフォウ・ムラサメを主体に、アムロとベルトーチカ、ジャブロー脱出で知り合ったジェリドとマウア、ラーディッシュの艦長ヘンケンとエマ、サラとカツなど、

さまざまな恋人関係を描いているように思わせているのですが、現実には映画として成り立っておらず、話のつながりがない。でたらめなストーリー展開についていけない!など第一部以上に酷評となっているので、星を継ぐ者で見せたあの期待感は何だったんだ?


こんな肩すかしを食らったような感覚から、ファンからは最低点が付いてしまっている。


では何故このような結果となってしまったのか?この点を中心に分析していきましょう。

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目次

・機動戦士ΖガンダムII 恋人たちが星を継ぐ者以上に酷評だった理由。
・冗談ではない!ミステイク過ぎる?恋人たちの異常な3つの設定事情。
・富野由悠季は機動戦士ΖガンダムII 恋人たちで何をしたかったのか?

機動戦士ΖガンダムII 恋人たちが星を継ぐ者以上に酷評だった理由

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今でも炎上しそうな勢いで「機動戦士ΖガンダムII 恋人たち」の酷評が跡を絶たないようですが、この理由も前作の酷評を異常に意識しすぎたため、ファンに受けようと作品にある名セリフを中心に構成したことから、ストーリーとして成り立っておらず、


その結果、話が一切つながっていないシーンになったのだと筆者はそう分析している。


実際にこう言える理由も以下の点を強く感じるためである。


※若干ネタバレがありますのでご注意!

・ベルトーチカとアムロが何故恋人関係なのか一切説明がない。
ベルトーチカはアムロに取ってかけがいのないものであるのに!
・アムロは7年間、眠れる獅子状態で戦闘を怖がっていたのに
 ベルトーチカと触れ合う前から戦場のカンを取り戻している。
・その割にクワトロ同様!もう終わりというくらい出番がない。

・アムロが怖がっているのは死んだララァに会うことだけになっている。
・カミーユがフォウと会いたい感覚がこの作品では理由がわからない。
フォウはカミーユと心が通じた果てに死ぬのに強化人間で錯乱だけ?
・話のつじつまが理解しづらいので初めて機動戦士Ζガンダムを見る場合
 どちらがティターンズ、エゥーゴのモビルスーツが判別が付きづらい。
Ζガンダムでは色の分別などが無いので敵味方が本当にわかりにくい。

・フォンブラウンでのサラの会話を見ているとただの精神破綻者に見える。
・ジェリドの恋人のマウアーが一体何者か?全く理解出来ない。
・サラがアーガマに一体!何をしにきたのか?理解出来ない。

・クワトロがシャアとしてティターンズの横暴を暴くための
 ダカールの演説するシーンが無い。何故これが無い>富野よ!!
・フォウとカミーユのキリマンジャロでの再開がバッサリカット
 そのため何故消えたのか?死んだのかさえわからない。
・公園のテロシーン入れるならもっときちんと作って欲しかった。


などあげれば切りが無いのですが、今回の編集は旧作と新作を合成させて経年変化として質感近づける「エイジング」の方法以前に、編成自体がダメなので、ストーリーと会話が全くと言っていいほど噛み合っていない。


あえて言おう!名セリフを無駄に切り貼りしてわかりにくくなっただけの駄作である。


そのためか?展開があまりにも速すぎてキャラへの感情移入もしづらく、突然現れるキャラに「どちら様?」と首を傾げている間に、突然いなくなっては、また話が切り替わるので、
このような構成では酷評になるのは仕方が無いということ。


特にフォウとカミーユが恋仲になる工程やアムロがベルトーチカとのやりとりで眠れる
獅子から復活出来た部分など、こういった点をもっと丁寧に描いて置けば、ここまでの
酷評にならなかったのでは?


そう思えて仕方が無い部分があまりにも多すぎる本作品だと感じました。

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冗談ではない!ミステイク過ぎる?恋人たちの異常な3つの設定事情

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これ以上に「冗談ではない!」とクワトロ・バジーナの名セリフのようにファンが怒りを
あらわにしているのは、あまりにもミステイクな部分が多過ぎることだと思えてくる。


まずミステイクだ!と思えるのが「恋人たち」というこの映画のテーマ。


プロモーション動画などを見ると、何かしら人生の中でいろんな恋を交えながら戦争が繰り広げられるような感覚を覚えるのですが、実際には「」というよりも「すれ違い」であり、


ファンであるほど存在価値や自分の居場所といったイメージを強く持っている。


特にエマ・シーンはヘンケン艦長の完全な片思いですし、レコア・ロンドはエゥーゴ内で
人間関係で悩み、自分の居場所を無くしたと感じることでティターンズのシロッコに付いて
裏切る!という感覚なので、これが「」というのか?いまいち不鮮明である。


その他、ジェリドとマウアーは描写が薄く、カツに関しては何故?と思えるので、無理やり
こじつけたような感覚から、わかりにくい編集で余計にイラつくだけでしょう。


次にミステイク!と感じたのが起用された「新しい声優の人々


アニメファンならご理解出来ると思いますが、思い入れがある作品ほど声優が変わる
とかなりの確率で違和感があり、芸能人や政治家の2世以上に比較されることから、


前作よりも良くなければ、酷評となるのは目に見えていたはずです。


しかし富野由悠季氏の思考では「新訳」にこだわりたかったのか?カミーユの成長で
大事な中盤で、主要キャラであるフォウ、ロザミア、サラなど声優が変更となっており、

これがファンに取って炎上を生むほど酷評となった様子。


ロサミアは大人の事情、フォウはゆかなさんと実力派なのでこういった新訳もアリか?
と思えたのですが、サラに関してはファンの酷評が最悪であり、ここで書くには暴言や
誹謗中傷になりかねないくらいでしたので、第三部では配役が変更となっている。

シロッコに対しては「パプティマス様」としか言わないはずなのに・・・
ロザミィは・・・ロザミィは一体どこに消えたのさ!


ちなみにフォウ役の島津冴子さんとサラ役の水谷優子さんにはオファーをかけなかったという裏話があるようですが、どう考えてもこちらが無難であり、ミステイクだったとしか思えないため、ファンとしても「大人の事情」が発生したとしか言い様がありません。


最後は本作品の目玉だと思える「Ζガンダムの存在感の薄さ


Ζガンダムは時代を革新するためのモビルスーツであり、カミーユがアムロを超えたのも
バイオセンサーの能力で死んでいった人の意思と思いを継ぐではないのか?

そう思える点が大きいのですが、本作品のΖガンダムは存在感が異常に薄く、「ゼータの鼓動」って富野氏に取ってこんなものなの?と言える位、弱さしか感じなかった。


この理由ももともとΖガンダムは弟子である永野護さんが行っており、一年戦争のジオン軍を全てカット書きしたものよりも思い入れが無い。むしろデザインを嫌っていた!という説もあるので、富野氏に取っての新訳は人間描写でしか無かったのかもしれません。


それでも今回のちぐはぐした内容は「若さゆえの過ち」にしてはいささか年を取りすぎたようにしか感じないのは、筆者だけではないと思えるのは気のせいでしょうか?

富野由悠季は機動戦士ΖガンダムII 恋人たちで何をしたかったのか?

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機動戦士ΖガンダムII 恋人たちのキャッチフレーズは「キスの記憶…」ということになっているため、戦争の中で生まれた恋人たちの人生を描いているように思えるのも、プロモーション動画を見るたびにそう感じるのですが、TV版で感じたこの部分のテーマは、

アムロとシャア、それぞれがカミーユや周りの人を通して過去の自分への決別や
カミーユを自分達の二の舞にしないように導いていく感覚のほうが強いように思える。


そのために自分の人生が大人達のエゴイズム(利己主義)で思い通りにいかないと感じているカミーユと一年戦争で戦争孤児となり強化人間となってしまったフォウの似たような感覚や
生い立ちから、居心地の良さのような感じから恋人関係になっていくのですが、

主軸である部分からバラバラであり支離滅裂なつぎはぎシーンの連続では、こういった
心情やキャラの内情など、ニュータイプであっても読み取れるわけがない。


こんなものまで作成して一体何が伝えたかったのか・・・


特に筆者としては、

・自由落下するサイコガンダムの中でのカミーユとフォウの会話シーン。
・アウドムラと同型艦であるスードリーの艦長「ベン・ウッダー」の悲劇。
声優がTV版の大林隆介さんで無いのが痛い!
・ブライトとエゥーゴに出資しているウォン・リー氏のやり取り。
・レコアがクワトロに愛されていない!と悟ってしまうシーン。
・クワトロを迎えに来たハマーンの行動。

これらが秀逸であると思えるので、その他の出来もこのくらいすれば、名作になった
のかもしれませんが、本作品に関しては、理解出来ないのはオールドタイプだから!
と決め付けるのは、出来ないくらいに理解不能な作品であろう。


人類がこの映画を理解するには「リテイク」という名の粛清が必要なのだから・・・

レクタングル(大)
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