機動戦士ガンダム前半まとめ!登場人物や富野方式で読み取る人間描写

本来ならば、ここから第12話のお話となりいろんな名セリフ、名場面を語ってもいいのですが、「機動戦士ガンダムって複雑で地味過ぎてよくわかんない!」という読者もいると思いますので、第1話から第11話までの特徴的な部分を筆者の視点でまとめました。

この理由もここまでのお話で理解していないと、これからも、富野由悠季氏独特の登場人物の描写や富野方式と呼ばれる演出方法が同様にパターン化されているため、今回はこれらを中心に理解しづらい点を1つ1つ解析していきたいと思います。

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目次

・富野方式と呼ばれる富野由悠季独自の描写は何を伝えたかったのか?
・地球連邦軍とジオン軍の兵器から見る戦争を長引かせた本当の原因とは。
・単なる正義と悪の戦いではない?複雑な人間関係とリアルな思考描写。

富野方式と呼ばれる富野由悠季独自の描写は何を伝えたかったのか?

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富野由悠季氏が描写する機動戦士ガンダムが、30年以上経過しても名作だ!と語られる理由も、富野氏自身が映画を作りたかったこともあってか?1つ1つが富野方式と呼ばれる独特の感覚で演出されているため、コアなファンがたくさんいるのだと思えてくる。


特に機動戦士ガンダムは後継作にも影響しているせいか?以下の特徴を大きく反映して
いるので、この点を理解していないほど難しいと感じる人が今でもいるようです。

・敵味方共に重要人物を1箇所に放り込み対話、展開させる
 「富野方式」と呼ばれる描写で話を展開させる。
・ナレーションの説明を極力減らし映像での質感を丁寧に演出
 これにより視聴者に「こんな感覚なんだ!」と考えさせる。
・重要人物の登場シーンが高確率でかなりのインパクトあり
 「こいつはこんな性格なんだろうなあ~」と思える演出が多い。
・他の可能性があるはず!なのにあえてそれをしないといけない
 ように誘導していく話の流れや演出に説得力を感じさせる。
・1つ1つの話が現実でもありえる描写であるためのめりこみやすい。


この点はこれからのお話でも強く反映されていることから、理解していないと「何故あのシーンはこのように演出しているのか?」と強い疑問を持ち、難しい、理解出来ない、面白くないで見るのを止めてしまうため、最低でも上記にあげた分は理解しておきたい。


特に知っておくべき点は「富野方式」と呼ばれる展開。富野由悠季氏がこの方式のほうが
描写や展開がしやすいと公言するように他の作品でも多く見られるのですが、


これもまた人間の心理をうまくついているからこそ導入していると思える。


この理由も人間は知らない人と1箇所に放りこまれた状態であるほど、よほど相性が良くないと高確率で争うことが多く、抜け出せないほどその中での役割を演じることで自分を保とうとする心理が働くためである。


この点は心理学のペルソナ(仮面)の心理にもあるように、自分を取り繕うために行うのですが、ここに大きなストレスがかかると優先順位がストレスから逃れることとなるため、終始戦争での恐怖が続くほど、極度のうつ病になったり、責任転嫁する原因となる。


例を挙げるなら第9話のアムロの反抗や、避難民の暴動などが当てはまるでしょう。


これもいい友達ですら3日間いると1回は確実にケンカするのに、全く知らない人間と
強制的にいろいろとやっていこうとすれば、高確率で争いになることは必然である。


これに加え、上記で挙げた特徴を肉付けとして描写することで、よりリアルに心情を画けるので、無理のない展開で視聴者に共感出来るのですが、弱点として閉鎖的空間での演出になることから同じ場所や空間だと飽きやすいため、宇宙ではシャアの追撃より移動。

地球に下りてからはガルマ部隊の包囲により逃避と、この先でも使われる放浪劇が
多いために、これが原因で話がややこしくなっているのだと筆者はそう感じている。


実際には上記で挙げたように話を見ただけで自然に感じさせることや、流れを壊さないように矛盾をなくした結果が、富野方式と呼ばれる演出方式になっているため、これらを理解した上で、本作品を見返すと何故あのキャラはこんなことをしているのか?

富野由悠季氏が言いたかった部分がはっきりと見えてくると思いますよ。

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地球連邦軍とジオン軍の兵器から見る戦争を長引かせた本当の原因とは

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機動戦士ガンダムは増えすぎた人口改善という表向きの部分を、低所得者や身分の低い人に押し付け、スペースコロニーと呼ばれる筒状の人口衛星に宇宙移民という形で50年以上も地球に入ることを許さないことから、辺境に押し込まれたサイド3が独立宣言。

ジオン公国と名乗り独立戦争を仕掛ける際に、30対1の戦力さを埋めるためにコロニー落とし。誘導ミサイルや通信が利かないミノフスキー粒子を使い、それと同じ技術で作成されたモビルスーツ「ザク」の大量投入で地球連邦軍は8割の戦力を失ってしまう。


この戦いをサイド5死守のために行ったことから「ルウム戦役」と呼ばれ、指揮と取っていたレビル将軍が捕虜となったことから絶望的な状態となったのですが、奇跡的に特殊部隊の援助があり脱出!ジオンの内情を知り「V作戦」を決行することになる。


こんな感じで高性能なモビルスーツであるガンダム、ガンキャノン、ガンタンクを作り、奪われた地球の領土を取り戻しながらV作戦のデータを下に量産化、宇宙戦でジオン軍と全面戦争で終結させる流れとなるのですが、これらの兵器1つ取っても、

戦争を長引かせた原因が大きく反映しているのでマニアほど見逃せない。


当時はアニメは子供が見るもの!と思われていたため、大人が見てもしっかりとした話の構成である機動戦士ガンダムは、実際にありそうな展開が多いのですが、それでも当時のロボットアニメを意識していたスポンサーの関係上、視聴者視点の地球連邦軍が正義。


ジオン軍が悪という感覚でやられメカのザク主体でガンダムがやっつけていく。


主題歌からしてそんな感覚ですが、実際には子供目線では難しすぎる展開もあってか?当初おもちゃの売り上げが全く伸びず回を重ねるごとに視聴率が低下してしまうことで、ジオン軍側がやられメカを量産することから、視聴率を回復させようと必死になる。


そのせいか?今でも連邦軍は「V作戦」による一貫して次世代機へ継承を示すのに対し
ジオン軍はガンダムを倒すためや、連邦軍本拠地のジャブローを見つけるためのもので
生産性や目的重視で対応されているところが面白い。


またこの展開の矛盾を防ぐために、連邦軍側はレビル将軍とゴップ提督率いる「ジャブローのモグラ共」との派閥やV作戦での資金的負担、ルウム戦線での人員不足からホワイトベースに対し否定的であり、戦火でも自力突破を求め不安を煽っている面が強く、

ジオン軍も地球降下作戦でザクを導入して資源拠点を確保出来たものの、そこからの補給や戦線を広げすぎたことで連携が取れず防戦しか出来ない状態や、実情は資金難であることから、最新鋭モビルスーツを導入出来る状態では無いなど意外と問題点は多い。


このような理由がお互いにあるためお互いに決め手が無いことから戦争が長引き、ホワイトベースが危機的な状況であっても、連邦軍は囮をさせるように放置してしまうことが多くなるのですが、ガルマの国葬と共に士気高揚したジオン兵の勢いによって、

第12話から「変化の兆し」として物語は急展開していくことになるのです。

単なる正義と悪の戦いではない?複雑な人間関係とリアルな思考描写

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今までのロボットアニメでは地球を支配するために悪の宇宙人などが攻めて来ては、それらから守るため、一致団結して立ち向かうというのがセオリーだったのですが、機動戦士ガンダムを見ているほど単なる正義と悪の戦いではなく、複雑な人間関係の下で、

エゴイズム(利己主義)をぶつけながら展開していくので、この点が人間臭さとして
今後の作品にも、大きな影響を与えているのだと筆者は考えている。


前半の地点での感想としては、連邦軍側はブライトとアムロを中心に周りが巻き込まれるように展開しては、お互いの立場でしか判断出来ず、厄介ごとが次々と起こるのでその対応に追われ休めることが無くこの後の大惨事につながるのですが、この点に関しても、

レビル将軍とゴップ提督以下、ジャブローの首脳高官との確執がモロに影響しているので、
背景を見るほど見えない糸で操作されるように、展開しているのが理解出来る。


またジオン軍側もシャアを中心にジオン公国の実情がザビ家独裁での軍事国家であったり、最初から出てきたシャアがロボットアニメのセオリーである最初のやられキャラという位置づけではない物語のキーマンであることから、行動の1つ1つに影響力が強く、

裏読み」させる大人の感覚が強すぎるため、子供向けの作品と考えるほどターゲットがマッチしていないことを感じるのは、本質から見ても仕方の無いことだと思えてしまう。


この理由も富野方式を中心とした富野由悠季氏独特の描写から、作品から何を感じるのか?を考えて欲しいというメッセージ性があるため、今後のお話でもこの点をしっかりと読み問き、富野氏が何を伝えたいのか?考えながら見ていくと面白いと思いますよ。

レクタングル(大)
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