機動戦士Ζガンダムで富野由悠季がテレビ版で苦悩した部分とは?

機動戦士Ζ(ゼータ)ガンダムは機動戦士ガンダムの世界!一年戦争後から7年後の世界を描いた物語であり、カミーユ・ビダンという少年を中心に機動戦士ガンダムで活躍したキャラ達の7年後を客観的に描いているので、当時の続編としては異質であった。

当時、ガンダムファンからは放送前から期待度が高かった印象があるのですが、裏事情を知るほど富野由悠季氏がやりたかったことへの苦悩や予期せぬ反響があったため、劇場版でも当時のまずい状況を修正したくらい、いろんなトラブルが発生した様子。


機動戦士Ζガンダムは現在でも自他共に認める傑作として語られているため全てにピックアップすると今回だけではお話し切れないため、要所の部分は後日劇場版で語ることにしますが、今回はこのブログのテーマでもある冨野氏の思考を中心に焦点を置きながら、

テレビ版で苦労をさせられた点についていろいろと分析することにしましょう。

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目次

・ガンダムMKⅡは本来出る予定では無かった?衝撃の現場真相。
・ZガンダムがガンダムMKⅡの後継機になった裏事情。
・ティターンズのモビルスーツに変形MSが多いのは何故?
・機動戦士Ζガンダムで語りたかった富野由悠季の本音とは。

ガンダムMKⅡは本来出る予定では無かった?衝撃の現場真相

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機動戦士Ζガンダムは主人公カミーユ・ビダンを中心にかつての英雄であった赤い彗星のシャアことクワトロ・バジーナ達、反地球連邦組織(A.E.U.G.通称エゥーゴ)が地球連邦軍を管理、反地球連邦組織に制裁を加えるエリート集団「ティターンズ」との壮絶な戦闘を、

憎しみと怨念!エゴイズムの塊を持ちながら描いていくお話であり、カミーユを「女の名前なのに男か・・・」と呟いたティターンズの中尉、ジェリド・メサを殴ったことから、カミーユの人生が狂っていくという感じのストーリー設定なのですが、

当初の予定ではガンダムMKⅡは出る予定ではなかったことを冨野氏は語っている。


テレビ版の機動戦士Ζガンダムでは「黒いガンダム」としてRX78ガンダムの
後継機であり、ティターンズの「」を象徴するため、黒をベースにしている。


カミーユがガンダムMKⅡに搭乗したのも、3号機のジェリド機の墜落事故や横暴な憲兵であるMPに仕返しをしたいがためドサクサ紛れに乗り込み、流れからエゥーゴの一員となったのですが、当初にあった冨野氏の設定とは全く違っていることを意外と知られていない。


当初、クワトロ達が搭乗していたモビルスーツ(以下MSと呼称)リックディアスと地球連邦軍のライラが搭乗していたガルバルティβ(ベータ)を主力として展開する予定であり、その段階でZガンダムを出す予定でした。


また冨野氏の前作品で登場したデザインのMSの後継機だ!とわかるようなデザインや新しいものを生み出したい!という意思から、当時、重戦機エルガイムでウケが良く若手で急上昇していた永野護さんがこの思考で進めていたものの、


会社上層部ではこの2機ではマニア過ぎて売れない!ということで却下。


そのためか?ガルバルティβはオールドタイプ(古い人間)としてライラ共に撤廃。リックディアスも早々にガンダムMKⅡから軽量化をしても姿勢制御が出来るムーバブルフレームを導入したことで百式(ひゃくしき)をクワトロ専用機として用意する羽目になったことから、

予期せぬトラブルを避けるようにつじつま合わせでガンダムMKⅡが生まれたのです。

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ZガンダムがガンダムMKⅡの後継機になった裏事情

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ZガンダムがガンダムMKⅡの後継機になった裏事情も、当初用意していた
Zガンダムのおもちゃ化がスポンサーの都合で間に合わなかったためです。


本来!Zガンダムと冠がついているため、冨野氏としてはカミーユ機はZガンダムからと決めていたらしいのですが、これも当時おもちゃを担当していたスポンサーバンダイの生産が間に合わず、2クール目、映画版では2作目にかろうじて出る方針に変更となる。


この理由も重戦機エルガイムのエルガイムMKⅡのアイデアやおもちゃ会社からの売れる構想を以来されていたためであるのですが、プラモデル担当をしていたおもちゃ会社が倒産してしまい、おもちゃもプラモデルもバンダイが担当することになってしまう。


それと同時に当時では複雑すぎる変形機構にどう再現するのか?


この点に苦戦してしまったことでオープニングではZガンダムが謎のMSシルエットであり、ガンダムMKⅡはZガンダム中のコンセプトであったMSVという先行試作機のつなぎとして違和感の無いようにつなげたのが本音なのです。


このような光景から、テレビ版ではカミーユがガンダムMKⅡとリックディアスのいいとこ取りでフライングアーマーと呼ばれるスペースシャトルの翼だけを独立させ、大気圏突入装備を変形機構に加えた、Zガンダムを生む原型として生まれたのです。

ティターンズのモビルスーツに変形MSが多いのは何故?

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機動戦士Ζガンダムでは敵であるティターンズだけでなくエゥーゴにも変形MSが
多く出て来るのですが、何故このように変形するMSが多いのでしょうか?


大人の事情を言えば「変形すれば売れるから!」という部分が強いですが、これもまた冨野氏の策略であり、ティターンズやエゥーゴは新しいものへの改革。大して地球連邦軍は古いものへの束縛として、ファンに強調したかったのだと感じている。


この点に関しても冨野氏は、新しいものへの改革をしたいのと同時に、

7年間の時間の経過を強調する要素として、一年戦争当時の旧式MSの登場の必要性を感じ、一目でそれと分かるような外観に特徴があるものを中心に選んだ。


と称しており、機動戦士ガンダムファンや新規の新しいファン。


どちらでも楽しめるように深い構想で練ったのだと思えてくる。


本来、MSはミノフスキー粒子と呼ばれるものが発見され、誘導ミサイルやレーダーが無効化されることで近接戦闘でないと戦えないことから生まれたものですが、Zガンダムの中では旧式MSの後継機達は変形MSのスピードについてこれずカミーユ達も大苦戦!

この点は機動戦士ガンダムで地上ではドップという小型戦闘機でもMSに対抗しやすかったことや、宇宙ではモビルアーマー(MA)と呼ばれる非人型大型機動兵器のほうがインパクトがあったことから、革新として生み出された可能性が高い。


こういった部分で新しいものへの革新を狙い、おもちゃとプラモデルの売れ行きや視聴率も過去最高数値となったようなのですが、機動戦士ガンダムのファンだったものは違和感を感じて遠のき、冨野氏の思考とマッチしたファンのみが残る結果となりましたので、

これが本当に成功だったのか?違和感を感じるのは筆者だけでしょうか?

機動戦士Ζガンダムで語りたかった富野由悠季の本音とは

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機動戦士Ζガンダムで語りたかった富野由悠季氏の本音は本人が語っているように
それまでの続き物にありがちだったただの続編とは違う作り方を意図的に試みたい。


機動戦士ガンダムで出演したキャラの7年後を立場や時間経過で変化した部分を描きたかったため、ティターンズとエゥーゴの抗争という舞台がありながらも中盤でジオン残党勢力のアクシズの登場!それぞれの同盟や裏切り、フレックス准将の暗殺など、

複雑なストーリー展開になってしまっていることや変形MSが往年のファンには受け入れられなかったことも加速して賛否両論の意見から今後の作品に大きな影響を与えている。


しかし僕の視点では機動戦士ガンダムにあったアムロVSシャアの部分を主人公で
あるカミーユと彼を小馬鹿にしたティターンズ中尉、ジェリド・メサとの戦いを
7年前の自分達として客観的に見つめているのも、同じ過ちを繰り返させないことや、


過去への因縁をどう受け止めるか?という伏線になっているのだと思える。


この点は結局!受け止められず、逆襲のシャアとして因縁が繰り広げられるのですが、

伝説巨人イデオンや聖戦士ダンバインで言えなかった部分を異質さとして吐き出した
かったのが冨野氏の本音だったのかもしれませんね。

レクタングル(大)
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